第4章 カケラの眩しさ
『百ちゃんが一緒に···?』
百 ー そう、オレも。だって、オレも約束したじゃん?マリーが話したくなるまでは誰にも言わないって。今日偶然マリーに会った事も、今こうやって電話で話してる事も言わない。だから、謝る時が来たら、オレも同罪じゃん? ー
『でもそれじゃ、悪いのは私なのに百ちゃんまでが···』
百 ー 平気。ユキに怒られるのは慣れっこだし、それに前にも言ったじゃん?オレはいつでも、マリーの味方だよ、って。だから、いいんだよ ー
いつでも味方、か。
ずっと前に千を怒らせた時も、百ちゃんがそう言って一緒に謝ってくれた事があった。
その時は千も百ちゃんを責めて、あの仲良しの2人が声を上げて言い合いになって。
だけど···百ちゃんは私が悪いのを分かってて、それでも味方になって守ってくれた。
千「そうやってモモはいつも愛聖を甘やかすから、愛聖だって自分で謝るタイミングを逃すんだ!」
百「いいじゃん別に!マリーの味方になるのは、オレがマリーを好きだからだよ!ユキだってマリーが好きだから、そうやって怒るんだろ?!それと同じじゃん!」
千「それとこれとは話が違う!」
『待って!いま悪いのは私で、百ちゃんは悪くない!』
千「愛聖は黙ってて。いま僕はモモと話をしてるんだ」
百「あ、そう?!じゃあユキはマリーが好きじゃないんだな?だったらマリーはオレだけが守るから!誰からも!ユキからも!」
千「···ハァ···分かった。今のは僕が言い過ぎた···愛聖、怖がらせてゴメン。僕もちゃんと、愛聖が好きだから」
···なんか、ちょっと恥ずかしい事を思い出しちゃった。
百 ー マリー、聞いてる? ー
『あ、ゴメンね百ちゃん。ちょっと···思い出し恥ずかししてた』
百 ー なにそれ? ー
『ね?百ちゃんはさ?私と千だったら、どっちが好き?なんて』
百 ー えぇっ?!急になに?!ユキか···マリーか。そんなの決まってる! ー
『じゃあ、言ってみて?』
このタイミング、もしかして···とか期待してもいいのかな?
百 ー ユキ!で、その次がマリー! ー
予想の裏をつく答えに、私は声を出して笑ってしまった。