第4章 カケラの眩しさ
部屋に戻ってからもひとつのアドレスを見つめて、何度目が分からないため息を吐く。
連絡をした方がいいのは、自分でも分かってる。
だけど、今どこにいるだとか、誰といるだとか聞かれたら答えにくい。
やっぱり、きちんとした状態が確定するまでは···このままを維持しよう。
ちゃんと胸張って、佐伯 愛聖 は小鳥遊プロダクション所属の人間だと言えるようになったら、みんなに連絡しよう。
怒られても、詰られても···それは全て自分自身の責任。
分かってくれるまで何度でもちゃんと説明して、話を聞いて貰おう。
でもそれは。
聞いて貰えるって状況があれば、だけど。
あぁ···ダメダメ!
ちょっとひとりで考え出すと、すぐネガティヴ思考が発動しちゃう!
余計な事を考えないように、明日の予定を考えよう。
そう言えば夕飯の後に三月さんがネットチラシを見ていて···
三「おおっ?!マジか!これは行かねぇとだな···壮五、陸、明日の午前中ヒマか?!たまごと砂糖がおひとり様1点限りで超安売りしてる!···行くぞ!」
壮「それは行かないとだね?僕と陸くんが一緒に行ったら3つずつ買えるからかなりお得になるし」
陸「そうですよね!毎日の美味しいご飯のために、オレも協力します!」
···とか言う話で盛り上がってたから。
それなら私も一緒に行ければ、4つずつ買える訳で。
更にお買い得じゃない??
よし、そうと決まれば三月さんに明日の買い物に私も一緒に行くって伝えておこう。
ラビチャでメッセージを送り、とりあえず後はベッドに入って···なんて思っていると三月さんから返事が届く。
三 “ オッケー!明日の買い出しは4人で行こうな! タイムセールは戦場だから気合い入れとけよ?! ”
気合い入れとけって···三月さんらしい返信に、思わず笑ってしまう。
それからすぐにラビチャの着信音が鳴って、三月さんかな?と開けば···三月さんではなくて。
“ マリー 、まだ···起きてる? ”
それは···
たったひと言だけ送られてきた、百ちゃんからのメッセージだった。