第20章 明かされた事実
学校が終わって逢坂さんと一緒に来た四葉さんと合流し、MEZZO"としての仕事が始まる前の空き時間に四葉さんお待ちかねのテレビ局の食堂へ来たけど。
壮「環くん、そろそろ決まった?」
環「決まっ・・・あ、やっぱハンバーグ定食も美味そうだし、でもカツカレーも超美味そうだし!あーもう!決まんねぇ・・・」
壮「早く決めないとゆっくり食事する時間がなくなっちゃうよ?」
環「分かってるって!でもどれも食いてぇんだもん!」
およそ10分ほど前からこんな会話が続き、私も紡さんも視線を合わせては苦笑いを見せ合う。
MEZZO"の仕事が始まる前に身支度をして、テレビ用のメイクやヘアセットもするとなると・・・私より掛かる時間は少ないにしてもそろそろ決めて貰わないと消化不良するのでは?と思うような短時間での食事となってしまう。
私も夜の予定があるからそんなにお腹いっぱいにしてしまうと場を用意して下さった相手方にも申し訳ないし、となると。
やっぱりこの方法が1番最善かな?とひとり頷いた。
『四葉さん、こういうのはどうです?選びきれないメニューのひとつを私が注文するので、半分こしませんか?それなら四葉さんも両方食べられるし、悪い条件じゃないと思います』
環「マジで?!マリーもメニュー迷ってたの?」
『そういう訳じゃないけど、私はまた夜に会食の予定があるので少し食べるくらいにしておかないとって思うから』
会食、という言葉に四葉さんはいいなぁ・・・と返すも、でもハンバーグとカツカレーが食べれるならそうする!と笑顔を見せる。
『それじゃ、私がハンバーグ定食を頼むので四葉さんはカツカレーを食べて下さい。ハンバーグは半分あげますから。紡さんも逢坂さんもメニューは決まってるんですよね?』
壮「僕はすぐ決まってるから大丈夫だよ」
紡「私もです。なので後は食券を買うだけですね」
それじゃ券売機に行きましょうと促し鞄から財布を出せば、それを見た紡さんが慌てて自分の財布を出そうと鞄に手を入れる。
『待った。ここは私が持ちます。って言っても高級レストランじゃないからカッコつかないけど、紡さんには朝早くから付き合わせちゃってるし、四葉さんと前にご馳走するって約束もしてるから』
紡「ですが・・・」
戸惑う紡さんに、いいのいいの!と笑い返し、早く行こうと背中を押した。
