第20章 明かされた事実
❁❁❁ 一織 side ❁❁❁
環「っしゃ!いおりん飯!弁当食おうぜ!」
4時限目の終わりを告げるチャイムが鳴ると四葉さんが私の肩を遠慮なく叩く。
「四葉さん、まだ授業そのものは終わってないですよ。ほら、プリントを集めて先生に渡してきて下さい」
四葉さんをやや呆れながら見ている教師をチラリと見ながら言って、最後尾の座席に座る彼にプリントを渡せばあっと言う間に前列のプリントをかき集め提出して戻って来る。
環「なぁなぁ!早く弁当!あとさ、いおりんのスマホちょい貸して?」
「私の?四葉さんも事務所から持たされた物があるでしょう?」
そう言うと四葉さんは、自分のは逢坂さんから無駄にバッテリー消費しないように言われているから使えないんだと口を尖らせる。
なるほど、と、今日は学校が終わり次第MEZZO"の仕事があるから連絡がちゃんと取れるようにという逢坂さんの配慮だと考え、それならばと制服のポケットからスマホを出して四葉さんに渡す。
「で、いったい私のスマホで何がしたいんですか?ゲームアプリの類なら何もありませんよ?」
いつも何かしらゲームをさている四葉さんに言えば、四葉さんはゲームじゃないと言って何やら操作を始める。
環「テレビ見たいんだって!だって今日の昼番組にマリー出るじゃんか。そーちゃんとみっきーが俺らの昼休みくらいにテレビ出るらしいって教えてくれたから。ってかさ、どーやってこれテレビ見るの?」
「そんな事も分からず私のスマホを弄り倒してたんですか四葉さんは。貸してください、テレビ見れるようにしてあげます」
環「早く早く!じゃないとマリーがテレビ出るの見れねぇじゃん!」
全く四葉さんは・・・テレビに出てる佐伯さんが見たいと言っても、寮でいつも顔を合わせているというのに。
そう思いながらも番組表を確認して四葉さんが心待ちにしているチャンネルを開き、イヤホンを片方貸しながらスマホを横にしてペンケースに立てかけた。
ー なるほど!アイドリッシュセブンの四葉環さんと良くおやつを一緒に食べてるんですか? ー
ー そうなんです。四葉さんがオススメしてくれるプリンがとても美味しいんです。だから見つけるとつい買っちゃったりして ー
環「おぉっ!マリーが王様プリンの話してる!」