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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第20章 明かされた事実


愛聖さんが自分は最低だと言うほどの、何が?

「とにかく今は楽屋に戻りましょう。ここは人の出入りがありますから。それに濡れたままでは風邪をひきますよ?そしたらまた、大神さんにお願いして愛聖さんを病院へお連れしないといけません」

病院、というワードを出すと愛聖さんはピクリと反応する。

その様子に、余程その場所が苦手なんだなとそっと肩を竦めた。

「その時は私も付き添いますし、またわがままを言うようでしたら一織さんにも同行して頂くかも知れませんよ?」

我ながらなんて脅迫めいた言葉だと思いつつも、なるべく人目に付かないうちに楽屋へ戻らなければという気持ちの方が優先してそんな言葉を投げかけてしまう。

「行きましょう愛聖さん。立てますか?」

ゆっくりと手を引いて立たせれば、その足元には恐らく愛聖さんから落ちた水が形を成している。

「すみません愛聖さん。少しお待ちいただけますか?この床だけでもキレイにしておかないと後から来た方が」

危ないですから、と言いかけて突如開かれる扉に言葉を止める。

「あら、ゴメンなさい。こんな所に人がいると思っ・・・小鳥遊さんのところの、それに愛聖じゃない。なにやってんのこんなトコに突っ立っ・・・何よその格好!どうしたのよ?!」

「あ、姉鷺さん?!どうしてここに?!」

姉「ちょっと時間がある内にメイク直しちゃおうかしらって思ったのよ。それよりこの惨状はなに?」

ちょっとメイクを直すって、姉鷺さんは男性の方のはずでは?と思いつつ、いまはそんな疑問を投げかけている場合ではないと言葉を飲み込んだ。

「ちょっと、事情がありまして・・・あの、すぐに片付けますから!」

姉「そんなものどうだっていいわ。ちゃちゃっとモップでも掛けときゃいいわよ。アタシが聞きたいのは、どうして愛聖がズブ濡れかってことよ?」

「そ、れは・・・その・・・」

なんて答えたらいいのだろうかと言葉を探しても、自分だって詳細を知らないから説明のしようがなくて口篭る。

姉「とりあえず楽屋までアタシも着いてく。詳しい話はその後よ。納得行くまで聞かせて貰うから、ちゃんと話しなさい愛聖」

そう言うと姉鷺さんは軽々と愛聖さんを抱き上げてしまう。

姉「アンタも来なさい」
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