第20章 明かされた事実
その全てが奏音さんと出会った時から仕組まれていた事だったなんて、誰が予測出来ただろう。
奏音さんは、私だったかも知れないのに。
なのに私は、私を憧れていると聞いただけで嬉しくて、友達が出来たと舞い上がって。
何かあったら話聞くね!だとか。
奏音さんはどんな気持ちで私の言葉を飲み込んだのだろうか。
バカ、みたい・・・
次々とこぼれ落ちて行く涙と一緒に、壁に預けた私の体も力なく落ちて行く。
ー あの女に関わるな ー
そう言った千の言葉が頭の中でリフレインする。
『ごめん、千・・・』
ちゃんと千の話を受け入れていれば良かった。
天たちだって、私に警告してくれていたのに。
『ごめん、なさい・・・』
嗚咽に混ざりながら出てくる言葉は謝罪しかなくて。
服に広がる水の染みを止めることも出来ずに、ただ、俯くしか出来なかった。