第19章 魔法のコトバ
監督からの電話は件の映画の相手役がRe:valeの百くんに決まりそうだと言う事。
それも、愛聖さんが相手役に決まるならという条件付きだから是非とも前向きに検討して欲しいとの事。
それも含めて詳しく話をしたいから時間が取れないかというもので、こちらとしてはその話し合いというのは都合が良かったとも言えるけど。
百くんからの条件っていうのは、愛聖さんが出演を承諾する材料になるかは別物だ。
彼女自体がまだ迷っているからこそ、先方と話をしたいのだろうからね。
明日の夜か・・・
明日は朝から僕も忙しいから、なるべく今日出来る仕事は終えておこうと思ってはいたけれど、明日の夜にとなると明日の仕事もなるべく前倒しに終えていかないとだ。
これはやはり、また紡くんに愛聖さんの方の付き添いを頼むしかないかな?
昼間の彼女の仕事は、アイドリッシュセブンの仕事は入っていなかったから・・・うん、大丈夫そうだ。
MEZZO"の仕事はあるけど、同じ局内であるなら愛聖の同行も可能・・・いや、ちょっと待った。
MEZZO"の仕事は音楽番組の収録だから、その時間は現場に立ち会っていないとダメだ。
もしなにかトラブルがあった場合にマネージャー不在という訳にもいかない。
そうすると愛聖さんもその現場に一緒に立ち会って貰わないとだから・・・愛聖さんの仕事は、あぁ、これなら大丈夫、かな?
あれこれと策を考えながら明日のスケジュールを煮詰めていく。
彼女自体も先日完成したミニアルバムの宣伝の為の情報番組への出演だし、この番組のMCなら僕も昔からの知り合いだから。
そうと決まれば、まずは彼女に明日の詳細を伝えなければ。
よし!とひとつ頷いて、さっき彼女から来た電話のリターンをする。
そのコール音を待つ間、パソコンを開いて映画の原作となる作品のサイトを開いた。