第19章 魔法のコトバ
岡「ただ、熱烈なファンだけではないようです。その作品のヒロインは佐伯をイメージして書き上げた物だとかで、原作者ご本人からも、映像化するなら是非ヒロイン役は佐伯さんにお願いしたいとお申し出があったとか」
「そんな熱烈オファーなのに、なんでマリーは決めかねてるんだろ?いつもスケジュールが白いままなのはヤダから早く仕事見つけないと!とか言ってるのに」
それにマリーだったら、どんな役でも頑張れるのに。
遊郭の役だって、ちょっと体当たり的な感じではあったけど、監督を始めスタッフからも悪い話は聞かなかった。
じゃあ、迷う理由ってなんだ?
千「その原作者って、女?それとも男?」
岡「自分はその作品をまだ少しだけしか見てないですが、原作者の方は男性だと聞いてます。とにかくもの凄いファンだそうで、出演が決まったら直接ご挨拶をしたいとも仰っているようですね」
「それマリーも知ってるの?」
岡「さすがにそこまで伝わっているかは分かりません。あくまでそういう事を言っていると噂話の延長線で聞いたので」
マリーがヒロイン役を受けるってなったら、オレも相手役として頑張りたいなぁ・・・
そんでそんで!
相手役ってことは、もちろんそういうシーンも百ちゃん体張って張り切っちゃう!
千「モモ、顔が緩みっぱなし。まぁ、何考えてるかだいたい僕にはお見通しだけど」
「え?!べ、別にそんなエッチ臭いこと考えてないって!ヤダなぁユキってば、アハハ・・・」
千「考えてたんだね」
うぅっ、ユキの視線が痛い!
岡「まぁ、それはともかくとしてですね。先程の電話はそういうお話でした。さて・・・まだ時間はあるようなのでお茶でも用意しますね」
「映画かぁ・・・」
出演が決まっても決まらなくても、楽曲提供は確実っぽいよね?
だったらRe:valeの仕事も頑張るからって社長に直談判するかなぁ。
いやいやその前に、マリーがオファー受ける事が優先・・・なんだけどさ?
どことなくソワソワしながら時計を見て、後で電話でもしちゃうおかな?なんて考えながら、お茶を用意するおかりんの姿を眺めていた。