第19章 魔法のコトバ
考え事をしていたオレは、突然おかりんから送られる寝耳に水的な発言に驚いた。
岡「そうですよ?まだ社長がRe:valeのスケジュール調整が整っていないからと返事を先延ばしにしてるんですが・・・百くん的にはどうしますか?」
「どうしますか?って、内容も何も分からないのに答えらんないよ」
千「ねぇ、おかりん。それってモモの単独出演?」
岡「えぇ、今のところオファーは百くんにだけですが。社長の話だと百くんが出演するしないに関わらず曲の提供はあるかもという事でしたので、Re:valeのスケジュール調整が整っていないから返事を伸ばしていると」
「オレの出演に関わらずって事は、いずれにしてもRe:valeがその映画に参加するかもってコトだよね?っていうかさ、一応聞いておきたいんだけど、どんなストーリーなの?」
千「それ、僕も知りたい。曲を提供ってなると内容を知らなかったらイメージもへったくれもないからね」
ユキがそう言うと、おかりんはまだ製作公表もしてないから内密に、と人差し指を立てて教えてくれる。
「病気で視力を失った女性と、事故で片足を失くした人のって、多分これがもしかしたらオレが演じるかもな役だよね?事故で片足をだなんてオレに出来るかな・・・」
実際、オレも似たような感じで思いっきりサッカーが出来ない足になって夢を諦めた。
けどそれは、サッカー選手になりたい!って言う子供の頃からの夢を諦めたワケで、両足はちゃんとある。
片足を失くしても、それでも生きていこうと前向きに頑張る人を演じるだなんて大役なんじゃ?とおかりんに言えば、もしオレがNOと答えを出せば世にいる俳優からオーディションで選出するから例えNOと答えを出されても心配はないって言うけどさ。
千「おかりんの話から行くと、愛聖にもオファーが来てるって事だよね?もし愛聖がドラマと並行して映画にも挑むってなると、モモが断れば愛聖はどこの馬の骨とも分からない奴と共演するって訳だ」
そうだ!忘れるとこだった!!
「おかりん!マリーにはどんなオファーが来てるの?熱烈って言ってたけど、それってどんな?!」
前のめりになりながらも聞けば、おかりんはサラッとそのオファーの理由を話してくれる。
千「愛聖の熱烈なファン・・・まぁ、よくありがちな話だね」