第19章 魔法のコトバ
❁❁❁ 百 side ❁❁❁
「ユキってばオレがいるのにヤキモチだなんて!」
そう言って笑いながら、ふと気付く。
「ねぇおかりん?そういえばさっきマリーからの電話で謝罪とお知らせって言ってたじゃん?謝罪は分かったけど、もうひとつのお知らせってなんだったの?」
千「まさか、好きな人が出来た報告・・・」
強ばった顔でユキが言うと、おかりんは両手の平をわしゃわしゃと振って違いますよ!と慌てる。
岡「佐伯さんにそういった方が出来たら、自分ではなく寧ろ千くんたちに報告さらるのては?さっきのお知らせと言うのは、以前この局の食堂でお会いして一緒に食事をした時に情報提供したドラマのオーディションが通ったって報告です。情報提供してくれたからオーディションを受ける事が出来たからと」
「マジ?!それってどんなドラマ?!」
岡「この局の開局記念のドラマですよ。えっと、資料は・・・っと、あ、コレですね」
おかりんが鞄から出した資料をオレとユキで奪うように取ってパラパラと捲っては内容を読んでいく。
「御曹子との恋愛物か・・・マリーはこれのどの役に決まったの?」
岡「報告を受けた限りではヒロイン役に決まったという事でしたよ。お相手となる人物の配役はまだご存知ない様ですが、先日TRIGGEの姉鷺さんに現場でお会いした時に、八乙女楽くんと九条天くんが最終選考に残っていると伺いました」
じゃあ、もしかしたら楽か天のどっちかと共演になる可能性もあるのか。
誰に決まったんだろ?
そう言えば、楽なら前に時代物をやった時にも共演してたよな?
恋愛物ってなると、所謂そういうオトナシーンとかもあったりして?
うわぁ・・・羨ましい!!
オレもまたマリーと共演したい!
前の映画の時は最後の方はオレとペアになったけど、ストーリーの都合上はユキとの絡みだったし!
そういうオトナシーンがしたい訳じゃないけど、ドラマの中だけでもいいからマリーと恋愛したい!
ってユキに言ったら、怒るかな?
岡「それからまだ決めかねているようですが、映画の出演依頼も来てる様ですよ」
千「映画?」
岡「はい。原作者と監督から熱烈オファーがあったとか・・・あ、そうそう!その映画、モモくんが出演を受ける予定のですね」
「オレ?!」