第19章 魔法のコトバ
❁❁❁ 環 side ❁❁❁
俺に任せて?って、バンちゃん言ってるけど・・・まだマリー寝てっし、ムリヤリ起こすのマジかわいそうじゃね?
俺だって眠いのにそーちゃんやみっきーに、起きろー!って起こされたらイヤだし。
どーすっかなぁ?って思いながらマリーの頭にさり気なく手を置いてみれば。
・・・ん?
あれ、なんか耳赤い。
タオルケット、暑いのか?
暑いんなら少しズラしても・・・って、いや、マジか??
そっとタオルケットをめくろうと手を伸ばせば、モゾっと動いたマリーは目を隠すように両手をあてて息を止めていた。
もしかしてこれ、マリー起きてんじゃん?!
しかもこんな風に恥ずかしそうにしてるってことは、さっきまでの会話もバッチリ聞こえてたってコトだろ?
じゃ・・・じゃあいおりんの言ってたコトも聞いてたってなると、昨日の夜のあんなことやを思い出して恥ずかしくなってる、ってワケだな。
別に恥ずかしくなんなくたっていいのにって思うけど。
俺に甘えっ子してくるマリー、なんかカワイイとか思ったし。
どーすっかなぁ・・・って、こういう時ってどうすりゃいいんだ?!
1歩ずつ近くなるバンちゃんを見ながら頭をフル回転させる。
そ、そうだ!
「あーっ!ヤバい!急にトイレ行きたくなった!」
万「え、トイレ?!そんなに急に?!」
俺の叫びに驚いたのか、バンちゃんが足を止める。
「そう!なんか急にトイレ!ヤバい!漏れる!」
慌てるように立ち上がると、足元からゴンッ!と音がして。
え?
ゴンッ?
音にビックリして咄嗟に下を見れば、さっきまで俺のモモ枕で寝ていたフリをしていたマリーが床に落ちおでこを押さえていた。
『・・・ったたた』
「うわぁっ!マリー、大丈夫か?!」
『だ、大丈夫・・・おかげでしっかり目が覚めた、事にします』
「お、おぉ、なら良かった・・・」
微妙な空気が流れる俺たちのそばにバンちゃんが駆け寄り床に膝をつく。
万「なんだか凄い音がしたけど・・・あぁ、やっぱり。ほらココ、赤くなってる。三月くん!何か冷やす物ある?」
キッチンにいるみっきーにバンちゃんがそう声を掛けると、みっきーは保冷剤でいいか?なんていいながら冷蔵庫を開けた。