第18章 Return to Myself
『そんな話があったんですね』
陸「社長に言われてって訳じゃないけど、オレはオレらしく自分の好きな歌やダンスをみんなに届けたいって思ったんだ。どんな事があっても自分なりに自分らしく前を向いていようって。そうすればいつか天にぃにも届くって思った」
一「そう思い直したのなら、先に七瀬さんは歌い続けても大丈夫な体を用意しなければなりませんね」
陸「あぁもう!またそれかよ一織は!」
せっかく自分の気持ちを言ったのに!と七瀬さんが拗ねるも、一織さんは一織さんで本当の事ですが?とすまし顔で笑う。
『でも、アイドリッシュセブンがちゃんと活動出来るようになったなら私も頑張らないとだなって思います。とりあえずいま頑張らないとって思うのは、あの衣装デザインを少し変更してくれるようにデザイン元の千に懇願する辺りですけど』
もう少し露出控えめにとか、うさ耳を何とかして欲しいとか。
三「あの衣装デザイン変えてもらうのか?オレは結構似合ってると思ったけど」
キッチンからエプロンを外しながら言う三月さんが、特別変更しなくてもいいんじゃないのか?と続けて言いながら私の向かい側に座る。
『さすがにあれはちょっと恥ずかしいというか、ネコ耳フード付きパーカーがシースルーなのもどうかと思うし、それにホットパンツも違うものにして欲しいとか、いろいろ改善はありますよ』
用意されたクロワッサンサンドにまた口をつけながら言えば、一織さんもそうですねと小さく頷いた。
一「ネコ耳なのにしっぽがあのデザインは確かに改善すべき場所でもありますね。ネコ耳を残すならしっぽはもっと細い物に、しっぽをあの形にするならネコ耳ではなくキツネのような耳の方がしっくりくると思います」
『そうですね・・・って、一織さんのこだわりはそこ?!』
一「こ、こだわっている訳じゃありません。あくまでもデザインのバランスです」
バランスって、私が直して欲しいのはそこじゃないんだけど。
壮「僕はあのしっぽがユラユラしてるのは可愛いと思うから、そうなると手直しするから耳の方だと思うよ」
ナ「ワタシはマリーが一糸纏わぬ姿でもここなと同じように愛せマース!」
三「とりあえずお前は黙ってろ!」
ナ「ムガッ・・・」
いつもの感じで三月さんかナギさんの口を押さえ、それを見てみんなで笑う。