第18章 Return to Myself
レッスン場で散々体を動かした後、本日2回目のシャワー浴びてリビングへ顔を出すと、少しくらいなら平気だろ?と言いながら三月さんが夜食を用意してくれていた。
『ありがとうございます。実はちょっとお腹空いたなって思ってたんです』
三「まぁあれだけ動けば腹も減るだろ」
髪をタオルで押さえながら言えば、それを見た四葉さんがドライヤーを持って来て自分が乾かしてやるとコンセントに繋いだ。
『あの、部屋に戻ってから自分で乾かしますよ?』
環「平気、俺が乾かす。マリーの髪乾かしてっと、いい匂い独り占めできっから」
まるで千みたいな事を言い出す四葉さんに、それならお願いしますとにこやかに言ってテーブルに並べられたクロワッサンサンドに手を伸ばした。
『美味しい!三月さん、これってもしかして三月さんが焼いてくれたやつですか?いつものパン屋さんのと味が違う』
三「こないだ多めに焼いたから冷凍しといたんだよ。お前クロワッサン好きだろ?使ったバターがいつもよりちょっといいやつだから、それもあるのかもな」
『ちょっといいやつって、高いんじゃ・・・』
三「気にすんなって。そんなの大和さんの缶ビール買う本数減らせばなんてことねぇからさ」
『えっ?!そ、それ二階堂さんが聞いたら大変なことになりませんか?!』
思わず食べる手を止めて言えば、背後からニュっと伸びてきた手が私の手を掴んでクロワッサンサンドを頬張る。
大「確かに大問題発覚だな」
『二階堂さん?!』
お、美味いなコレだなんて言いながら二階堂さんは私の手を掴んだままもぐもぐとそれを食べ続ける。
大「お兄さんの毎晩の楽しみが詰め込まれてんだから1個くらいいいだろ?」
『でもそれいま食べてたやつなのに・・・』
新しいものを食べるのはいいけど、食べかけのを食べるだなんてと加えれば別に平気だけど?と二階堂さんは笑った。
大「それにタマなんてしょっちゅうやってるじゃん?な、タマ?それとも、タマは良くてオレがダメな理由でもあんのか?」
『四葉さんのはいつもの事で私も慣れちゃってるというか?そうだ!そんな事より、アイドリッシュセブン復活おめでとうございます!あの、社長とどんな話し合いをしたんですか?』
半ば無理やりな感じに話題を変えて、自分が知らない間に起きたことをその場にいるメンバーから教えてもらう。