第18章 Return to Myself
けど千がデザインしたとかいう衣装は、可愛らしいと言えばそうなんだけど、ちょっと露出多めなんじゃないのか?
大きな耳付きパーカーは丈も短いし、何よりホットパンツってのもなぁ。
ちょこまかと可愛らしく愛聖が動き回る度にチラリチラリと見えてしまうお腹がなんとも目の毒と言うか、若い娘がお腹出してるだなんて・・・って考えてる場合じゃない。
そもそもあれと似たような格好なんて、愛聖が俺の家に寝泊まりしてた時はしょっちゅう見てたってのに。
むしろ露出多めとはいえ服着てるんだし、そこんとこは大丈夫だけど。
なんせバスタオルグルグル巻き状態で風呂から出てきた時はさすがの俺もびっくりしたからね。
うっかり着替え持って入るの忘れたとか言って慌ててたけど、俺の方が慌てたっていうか。
じゃなくて!
衣装!
もう少し何とか露出控えめにはならないんだろうか。
とはいえ俺が意見するのもなんだか違う気がするし。
社長が露出に関してNO!と言ったら千は考え直すんだろうけど。
・・・なんて考えてるうちに、軽く息を弾ませた愛聖がプロジェクターで映し出されているRe:valeと共に決めポーズをして曲が終わる。
最後のアレ、反則だろ?!
ちょっとドキドキしちゃうと言うか、まぁ、うん。
緩みきってしまいそうな口元を手で隠しながら、息を整える愛聖を見ては、いつか機会があれば俺も衣装デザインとかしてみたいなんて思ってしまう自分がいる事を自覚してしまう。
ま、いつかがあればだけどね。
『こ、これが今日レッスンして来た曲です』
はぁ・・・と大きく息を吐いてから言う愛聖を見てプロジェクターのスイッチを切ろうと手を伸ばせば、大和くんがそのまんま流しててみて?と小さく合図を送ってくるから、とりあえずは切らずに様子を見る。
大「まぁ、なかなかいいモノを見せて貰ったよ。でもまだ、あるんじゃない?」
『まだって、い、いや!ありませんよ?!ないです絶対!』
大「そう?でもディスクをセットした時の時間を考えるとまだなにかありそうなんだけど?な、万理さん?」
あからさまにニヤニヤと笑う大和くんが俺に話を振り、そういえばそうだねと返せば愛聖は急に慌て出してスイッチを早く止めろと騒ぎ出す。
うん、これはなにか隠してるな。