第18章 Return to Myself
三「こらナギ!愛聖が困ってるだろ!お前のその衝動的に抱き着くのいい加減にやめろっての!」
壮「環くんもだよ。ほら早く愛聖さんを解放してあげて」
三月さんと逢坂さんによって私にのしかかっていた重みが取り除けられ、視界も視野も広くなる。
『眩し・・・』
陸「はい、オレの手に捕まって?」
飛び込んで来る蛍光灯の光を手で遮るように翳せば、その隙間から真っ赤になった七瀬さんが起き上がるのに手を貸してくれた。
『ありがとうございます、七瀬さ、』
差し出させた手を借りようと私も手を伸ばせば、反対側からも同じように手が差し伸べられて顔を上げる。
一「・・・七瀬さんだけでは危ないですからね。さ、どうぞ?」
『一織さんもありがとうございます。けど耳、赤いですよ?』
小声で一織さんに言えば、空気が入れ替わりきってないから部屋が暑いだけだとサラリと交されてしまう。
って、そもそもここはレッスン場で、動き回ってないから暑くはないのに?と考えれば、コホンとひとつ咳払いをした一織さんに小さく睨まれてしまった。
あんまり言うと怒られそうだからこの辺にしとこうかな?と肩を竦め、覚悟を決めたところでみんなの前にその姿を晒す。
『どう、ですかね』
三「どうですかねって言わると、コメントに困るっつうか」
大「まぁ、そうだな。いざ着せてみると目のやり場に困るというか、お兄さんは照れちゃう」
・・・だから言ったのに。
でもそんなのは既に百ちゃんで経験済みだし。
だって百ちゃんも二階堂さんや三月さんと同じことを言って両手で顔を隠しながらも、しっかり隙間から見てたし。
環「っていうかマリー、パンツ見えそう」
『えっ?!』
四葉さんのストレートな意見に思わず両手で隠すようにすると、それはそれで余計にダメだろ?と二階堂さんが笑った。
『じ、実際はホットパンツの下にもう1枚履いた方がいいと千に提案はしたんですけど・・・百ちゃんは賛成してくれたけど、千はあんまり賛成はしてくれなくて。妥協して白タイツだって言われて、白タイツはちょっと、って』
そう反論したらしたで白タイツがダメなら網タイツ、あぁそうだ・・・何ヶ所か破いてるのもいいねとか言い出すし。
いったいどんな趣味してるのよ、千は。