第18章 Return to Myself
『あぁっ!』
大「愛聖・・・お兄さんは別に人の趣味には文句は言わないけど、おまえさんRe:valeのところでコスプレごっこでもして来たのか?」
大和さんが摘み出したそれは、尻尾の根元がいわゆるホットパンツと呼ばれるような悩ましげな服にしっかりと縫い付けられていて。
ナ「Oh!マリーはコスプレ好きなのデスね!」
変に喜ぶナギと。
壮「大丈夫だよ、愛聖さん。きっとこれを着ている愛聖さんは可愛いと思うよ」
陸「ホットパンツに尻尾って・・・」
穏やかに微笑みながら言う壮五に、妙に顔を赤くしていく陸と。
環「なぁなぁマリー、ちょい着てみてよ?」
ワクワク感を隠さずにそれを差し出す環と。
『私の趣味じゃないのに・・・』
ガックリと項垂れる、愛聖。
そういやこういうのって一織は確か・・・と本人の顔を見れば、傍から見れば涼しい顔を作っているようにも思える一織だけど、オレには分かる。
絶対、構いたくてウズウズしてる。
「仕事の衣装、か?」
そんなみんなを見ながら言えば、愛聖は仕事と言えばそうなんだけどもとモゴモゴと歯切れの悪い言葉を並べていく。
大「仕事の衣装ねぇ。愛聖、Re:valeの番組でコントにでも参加するのか?」
『そうじゃなくて、その、まぁ・・・それは千がデザインした私の曲の衣装というかなんというか。今日は最後にその曲に百ちゃんがフリを付けたから練習しようって言われて、でもそんなの用意されてるとは知らなくて』
一「着て練習したんですね?」
『・・・・・・・・・はい』
一「そうですか」
何を確認してるんだよ一織・・・お前自分じゃ分かってないかもだけど目がキラキラしつつあるぞ!
ってより、確かにこれは愛聖が着たら可愛いのかも知れないけどな。
千さん、なかなか見る目あるな・・・じゃなくて!
なにうっかりオレも納得してんだよ。
その後も環や悪ノリした大和さんが色んな説得をして、項垂れた愛聖を連れて、オレたちはレッスン場へと行くことになった。