第18章 Return to Myself
百「でもさでもさ!そう言われると歌詞の内容がユキっぽいトコあるよね!例えばほら、ここの辺りとかさ?・・・ギューってしてあげるから、僕のお願いきいてよね?とか!」
百ちゃん、朗読するの・・・やめて。
千「ふぅん?愛聖は僕にギューってして欲しかったのか?そんなの別にいつでもしてあげるのに。えーっと、なんだっけ?あぁそうだ・・・ギューってしてあげるから僕のお願いきいてよね?だっけ。じゃあほら、おいで?」
ニコニコとしながら両腕をこれでもかってくらい広げてみせる千に、頭がどこかに飛んでいってしまうそうなほど横に大きく振ってみせる。
『違う!違うから!たまたま思い浮かんだのがそういう時の千だっただけだから!』
百「なんかこれだとマリーの方がツンデレしてるっぽい!あ、ねぇねぇマリー!オレは?オレをイメージした歌詞ってないの?」
『そ、それは・・・その・・・』
あるっちゃあるんだけど、それをいまこれでーす!だなんて言ったら騒ぎが大きくなりそうな気もして口篭る。
千「言いにくいなら僕が当ててあげるよ。モモをイメージしたって言うなら、これじゃない?」
ちょっと待った!と手を伸ばすもひらりと交わされてしまい、それは千から百ちゃんの手に渡りマジマジと見入る百ちゃんが目を輝かせる。
百「どれどれ?!うゎ、眩しい太陽だとか、マジか・・・ヤバいメチャクチャ嬉しい!けどなんか超照れる!!」
もう、やめて下さい、ホントに・・・
わちゃわちゃとした時間に私1人だけがカクンと首を項垂れながらその額に自分の手を覆わせた。
千「ほらモモ?時間は有効なんだから、そろそろアレやっちゃわないと」
百「だね!あーもうメッチャ楽しみだよ!あの振り付けであの衣装でとか、世の中のマリーのファンがメロメロになるとかさ!」
いや、多分そこまで言うほど私のファンだと言う人なんて多くないと思いますが・・・ハハッ。
っていうかメロメロって、どういう事?
なんか嫌な予感しかしないんだけども。
そんな私の予感通り百ちゃんから見せられた振り付け動画は、それはそれは可愛らしいというかなんというか・・・
『うそ、でしょ・・・』
百「いやいや?結構オレ的にはイケてるんじゃないかなって」
千「うん、そうね・・・モモいい仕事してる」