第18章 Return to Myself
小「そして、その夢に手が届いた自分たちを褒めてあげなさい」
「・・・はい」
小「じゃあ、もう1度キミたちに大事な事を伝えるよ・・・キミたちは新人賞候補になった。今の気持ちはどうかな?」
まずは陸くんからと言う社長に、オレたちは順番に素直な気持ちを伝えて行くと、社長は穏やかな笑顔を崩すことなく大きく静かに頷いた。
小「キミたちは凄い事をしたんだ。どんなに悲しい大きな壁が立ちはだこうと、逆風が吹こうと、そんな事じゃ吹き飛ばされないくらい凄いことをやり遂げているんだ。僕はそんなキミたちを誇りに思う。だからキミたちも、自分たちを誇りに思って前を向きなさい。僕から贈る言葉はひとつ・・・新人賞候補おめでとう」
夕暮れの優しい光に照らされながら、社長は目を細めてオレたちにそう言った。
「あの・・・アイドリッシュセブンのみなさんですか?」
その声に振り向けば、そこには戸惑いながらもオレたちを見つめる女の子がいた。
「あ、はい、そうです」
そう答えれば女の子は急にキラキラとした笑顔を見せてくれる。
「こんなところで会えるなんて凄い嬉しいです!いつも応援してます!頑張って下さい!」
びっくりするほどの勢いで言って、女の子は駆けて行った。
壮「いつも応援してくれてるって、嬉しいよね」
環「だな。頑張って下さいって言ってた」
三「これからも、今まで以上に気合い入れないとだな」
ナ「ミツキがいつも頑張っているの、ワタシ知ってますよ」
一「六弥さん、私のセリフを取らないで下さい」
みんなが口々に言いながら、さっきよりずっと赤みを帯びた空を見上げる。
それは今まで見た夕焼け空のなかで1番と言えるほどキレイに見えて。。
オレはなんだかその空を見上げながら、これからもまた歌えるんだと思うと胸の奥が熱くなった。