第18章 Return to Myself
「では、佐伯さんご自身としては特に美肌の為に心掛けているスキンケア等は特にないと言うことですね?」
『そうですね、皆さんがなさっている基本的な事以外は特に。ただ何かアドバイスになるとしたら、UVケアはこまめにしている位です』
それも姉鷺さんから叩き込まれた事だけども。
なるべく日に焼けないようにするとか、外出時は肌を露出し過ぎないように薄手の上着は必ず!とか。
それは私だけじゃなくて、楽もよく言われてたけど。
私も楽も日に焼けやすいんだから気をつけなさい!って。
楽は逆に少しくらい日に焼けてもいいだろとか零してたけど。
私は女だから色が白いのはいいけど、自分は男だから龍みたいな健康的な肌色が羨ましいだとか?
そんな話が出る度に、お互い日射しは大敵だねって笑ってたんだよね。
姉鷺さんは、色素の遺伝子もあるからって言ってて。
そう言われると八乙女社長も男性だけど色は白い方だって思って、じゃあ私もそうなのかな?とか考えたりして。
母さんは特に色白って感じではなかったから、私も楽みたいに父親の遺伝子が関係してるのかな?なんて考えては見たけど、その父さんがどんな感じだったのかだなんて思い出せないし。
でもきっと母さんと私は肌のタイプが違ったから、きっとそういう事なんだろうなって答えが行き着く感じだった。
インタビューの後は数枚のスチール写真を撮り終えて、漸く午前の仕事が終わり、楽屋へ戻ると時計を見上げてしまう。
『あっという間に、もうこんな時間か』
さっき見た時間より遥かに時計の針は進み、あと少しさたら子供の世界ではおやつタイムじゃないかと小さく息を吐く。
小「愛聖さん、お疲れ様」
『社長こそ、お疲れ様です』
お互いに顔を見合わせ、のんびりとした空気を纏いながら笑い合う。
『なんだか今日は社長をお待たせしてしまう仕事ばかりですみません・・・』
小「そこは気にしなくて大丈夫。それがキミの同行者である僕の仕事だからね。それに僕は電話とパソコンがあれば待っている時間でも出来る仕事はしているから」
ほら?とノートパソコンを掲げてみせる社長に、それでも私はまた笑ってしまう。
『小鳥遊社長は八乙女社長とは違って現場でも何かしら仕事をしてるので、不思議な感じがします。八乙女社長は腕組みをしてじっと様子を見続けていたから』