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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第18章 Return to Myself


朝のドタバタから始まった今日は、なんだか時間もあっという間に流れ、気が付けば時計はとっくにお昼を過ぎていた。

どうリでお腹が空いてるはずだと、ひとり小さく笑う。

普段なら社長と、局の食堂が混んでたらどうする?とか、売店で何か調達しようか?なんて相談するけど、今日は三月さんが手軽に食べられる物を用意してくれたから慌てることもない。

危うく四葉さんに食べられそうになったけど、それも逢坂さんによって回避出来た。

「それでは佐伯さん、次の質問となりますが宜しいですか?」

『あ、はい!』

うっかり時計を見ちゃったから、まだ雑誌の取材中だって事を忘れるところだった・・・

「以前出演されたCMでは魅力的な素肌を映されていましたが、美肌の秘訣などあればぜひ読者の皆様に教えて頂けると・・・」

『美肌、ですか・・・』

「はい、ぜひ」

美肌の秘訣って言われてもなぁ・・・私はただ姉鷺さんに叩き込まれたスキンケア対策しかしてないから、特に高級化粧品を買い込んでるとかもないし。

なんならドラッグストアでお手頃価格の物使ってたり、オマケで貰った試供品使ったりしてる。

と、なると・・・あとは。

『よく食べて、よく寝ること・・・これが今の私を形作っているんだと思います。以前の私は仕事柄、食事に関しては不規則になりがちでした。でも今はそういう事を見直して、質の良い食事や睡眠を取ることができていて。きっと、私自身が何かをしていると言うより、周りにいる仲間たちのおかげだと、そう感じています』

食事に関しては特に三月さんが栄養面やバランスを考えてくれてるし。

そして質の良い睡眠に関しては、逢坂さんがリラックス効果のあるハーブティーを作ってくれたりしてベッドに入る前の時間を共有しながらお喋りをしたり。

そんなゆっくりとした時間が、その後の穏やかな睡眠へと誘ってくれているから。

「よく食べて寝る・・・う~ん、ちょっとインパクトに欠けるなぁ」

『でも、いちばん大事な事だと思いませんか?』

私が話した事が求めていた物と違ったのか、僅かに眉を寄せる相手に私もそう返す。

『あとは、ひとりで食べる食事より誰かと一緒に食べる食事の時間も心の栄養素というか』

時間の都合上たまには仕方ないけどと笑えば、相手もそうですねと笑って返してくれる。










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