第17章 見えない未来
❁❁❁ 楽side ❁❁❁
紡「こんな素敵なものを見ることが出来た自分は幸運だったって、誇りを持って思えるところです。それはまるで・・・虹を見上げた時のように」
虹・・・か。
フラリと足を向けたこの場所に、偶然にもそこには天がいて。
天と向き合って話す、七瀬がいて。
何を話しているんだと足を止めていれば、いつの間にか集まり出すアイドリッシュセブンのメンバーと、そして・・・そのマネージャー。
TRIGGERどこが好きだ?という俺の言葉に、虹を見た時のような誇らしさになると答える紡は、その瞳の奥に寂しげな光を隠してる。
七瀬も、ここにいるヤツらも同じように目の奥に影が・・・?
何かあったのか?と聞こうとして紡を見れば、その目は真っ直ぐに俺を見ていて。
紡「楽さん・・・私の夢は、私のアイドルが・・・アイドリッシュセブンが、その虹を越えていくことです」
「お前・・・急にどうし、」
紡「善戦しましょう、楽さん。私のアイドリッシュセブンは、あなたたちに負けません。必ずTRIGGERを超えて見せます。だからずっと、私たちの目指す場所にいて下さい」
俺たちを・・・TRIGGERを・・・超える、だと?
堂々と宣言する紡の目には、さっき感じた寂しさはひとかけらも見えなくなっている。
善戦しよう、か・・・それもいい。
「言ってくれるじゃん。俺たちだって負けない、俺たちはTRIGGERだ・・・迎え撃つ準備は出来てる」
いつでも挑戦して来いと手を差し出すと、それと同時に賑やかな声が聞こえて来てその場にいる全員で振り返る。
壮「環くん・・・それに、十さんまで・・・」
三「今日は珍しいメンバーが盛りだくさんだな。って、なんで環は愛聖をおぶってんだ?」
和泉兄の言葉によく見れば、四葉が愛聖をおぶって、その隣で背中から落ちないように龍が笑いながら手を差し伸べてる。
あいつら、なにやってんだ?
環「あ、そーちゃん!みんなもいる・・・マリー、みんなまとめて発見した。良かったな、家出とかじゃなくて」
・・・家出?
『だから、それはもう私の勘違いだったってさっきも言ったのに!それよりみんな見つかったなら、そろそろ降ろして下さい・・・恥ずかしいから』
環「ダメ。ちゃんと連れて帰らないと、リュウ兄貴に王様プリン買って貰えなくなる」