第17章 見えない未来
❁❁❁ 環side ❁❁❁
昨日ボスから、MEZZO"もアイドリッシュセブンも解散だって言われて、今日はみんなて朝から落ち込んだままで。
それでもみっきーは、こんな時こそ全員揃って飯食うぞ!って言って、そーちゃんと飯作ってくれたりしてたけど。
食べた後は、みんなそれぞれ部屋に戻ったままで。
何となく散歩でもしようと外に出れば、いつの間にかゼロアリーナまで来てた。
よく見ればここは、あのミューフェスの時いおりんがいた場所だって気が付いて、あの時はここで・・・また頑張ろうってみんなで誓ったのにとか、色々考えてて。
そしたら、リュウ兄貴に声掛けられて。
いろんな事を話して、聞いて。
いつもなら落ち込んだりすると、マリーが大丈夫だよ、って笑って言ってくれんのに。
だから、マリーの事が好きか?って聞かれた時、超好きだって言えたけど。
マリーでさえ・・・あんなに怒らせたし。
だからもう、嫌われたかも・・・だし。
「・・・俺がいちばん悪いんだって分かって謝ろうとしたんだけど・・・出来なかった」
龍「それはどうして?」
「謝ろうとしたら、ウチのボスにマリーが呼ばれて連れて行かれたから」
部屋を出て行くまでマリーは何度も振り返って俺たちを見てた。
だけど、誰もそのマリーの顔を見れなくて。
唯一、ナギっちだけはマリーに何か言おうとしたけど、バンちゃんが小さく首を振って止めてそのバンちゃんさえ部屋を出て行ったんだ。
俺たち、これから先どうなるんだろう。
そう考えながらため息を吐けば、誰かの足音が聞こえて・・・
『よかった・・・・・・ここにいた・・・』
龍「愛聖・・・?」
声に振り返ったリュウ兄貴が、マリーの名前を呟いて、俺も振り返った。
「マリー・・・なんで・・・?今日は仕事だったんじゃ?」
昼間バンちゃんに会った時、今日は厳しい音響スタッフのいるレコーディングだとか言ってたし。
『し・・・仕事が終わって、寮に帰った、ら・・・誰もいなくて・・・ケホッ・・・』
どれだけ走ってたのか、マリーは息を切らせたまま話したせいで咳き込みながら、ちょっとずつ俺たちの方へと歩いて来る。
龍「環くん、オレ何か飲み物買ってくるから2人で待ってて?」