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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第17章 見えない未来


❁❁❁ 百side ❁❁❁

千「音止めて。愛聖、何度同じ事を言わせるんだ?さっきも言ったけど、そこはその音じゃない・・・こっちの音だよ」

『ごめんなさい・・・もう1回お願いします』

メロディラインを弾きながらの手厳しいユキの言葉に、ブースの向こう側でマリーがしょんぼり顔を見せる。

こういう時のユキって、マリーどころかオレにも厳しいからなぁ。

頑張れ、マリー!

千「止めて。愛聖・・・ちゃんと歌入れする気ある?気持ちが入らないなら、今日はもう終わりにしようか・・・そんなんじゃいくら撮り直しても意味がない、時間の無駄使いだ」

『ごめ、なさい・・・』

あぁ・・・やっちゃったか・・・

ヘッドフォンを外して放り出すユキを見て、遂にはマリーが泣き出してしまう。

「ユキ、ちょっと休憩入れようよ?」

千「・・・必要ない」

「今日はちょっと調子悪いだけかもじゃん?・・・ね?休憩いれて気分転換でもしたら、マリーだってちゃんと歌えるようになるかもだからさ?」

ね?ね?、とユキを説得しながら周りのスタッフにも休憩にしようとそれを促す。

「ユキもさ、外の空気でも吸って落ち着いてきてよ?マリーはオレが様子見とくから」

千「そうね・・・本当は僕がって思うけど、多分いま愛聖の側に言ったら、追い詰めて泣かしてしまいそうだからモモに任せるよ」

いや・・・既に結構追い詰めて泣かしてると思うんだけど。

・・・とか言ってる場合じゃないよね。

「とにかくさ、ユキはユキで気分転換して来て?はい、行った行った!」

千「分かったから、そんなに押さなくても気分転換してくるから」

早く早くとユキの背中をグイグイ押してドアから出す。

よし、これで大丈夫。

後は・・・マリーか。

ブースへと続くドアを開けてポロポロと涙を流して立ち尽くすマリーの側へと足早に近付く。

「マリー、ちょっと屋上にでも行かない?」

ポンっと肩を叩いて言えば、マリーは首を横に振って楽譜を見つめる。

『ちゃんと出来ないと、また千に怒られるから・・・』

「んー、でもさ?今のまんまじゃ何回やり直しても変わんないかもじゃん?だからさ、オレと一緒に屋上で風に当たって気分転換しよ?ね?」
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