第17章 見えない未来
四葉さんの説得をしている途中で、逢坂さんと二階堂さんまで衝突し始めてしまう。
今はみんなで纏まらなきゃいけない時なのに、どうしてもこんなにも拗れてしまうんだろうと思った時、ナギさんが間に入ってストップをかけた。
ナ「ソウゴ・・・ヤマト・・・ワタシたち、ディアフレンズです!チームメイトでしょう?・・・・・・・・・oh・・・なぜ返事しないデスカ・・・?」
間を取り持とうとするナギさんが問いかけても、逢坂さんも二階堂さんも何も言わず、視線を逸らしてしまう。
陸「みんな、なんか変だよ・・・いまは環と一緒に謝罪に行こうって、話だったじゃん・・・」
三「・・・だな、陸の言う通りだ。ほら環、お前の行動ひとつで変わるものがあるんだ・・・自分のしたことの責任はちゃんと取らなきゃダメだぞ」
逢坂さんたちはともかくとして、普段から四葉さんを説得する事が多い三月さんが言っても、四葉さんはもう何も言わずに顔さえ背けてしまう。
このままじゃ、ダメなのに。
どうしてそんなに意固地になってしまっているんだろう。
どうして・・・
この事態をどうしたらいいんだろうかと戸惑っていると、四葉さんがポツポツと言葉を途切らせながらも話し出す。
環「向こうが先に・・・俺の妹を探すって言った。だから俺は、妹を探してくれるならって・・・引き受けた。約束を破ったのは、あのプロデューサーじゃんか・・・ウソついたのはあっちなのに、なんで俺ばっかり責められなきゃなんねぇんだよ!感動の再会とか俺には関係ないじゃん!!」
それはきっと、いまの四葉さんの精一杯の言葉だったはずなのに。
私の手は、パンッ!と乾いた音を響かせてしまう。
三「っ・・・愛聖?!」
環「い、ってぇ」
引っ叩かれた頬を、四葉さんが押さえながら驚きを隠せない顔で私を見る。
『いい加減にしなさい!四葉さんがそう言ってる事は、小さな子供がわがままを言って駄々を捏ねてるのと同じです!誰が先にどうしたかなんて今はもう関係ない!最後にどうなったか、誰がそういう結果にしてしまったかが大事なんです!それなのにいつまでそうやって拗ねてるの!!』
ピリピリと痺れるような感覚が、私の手のひらで広がっていく。
それはどれだけの力で、私が四葉さんを叩いてしまったか比例していて。
だけど・・・今はそんな事なんて関係ない。