第17章 見えない未来
一「あの人は私より年上のはずなのに、どこか危なっかしいと言うか、目が離せない所もありますからね。それを目の当たりにした時に注意をするから、そう思ってしまうのでしょうね」
陸「一織はいつも怒ってるイメージだと思われてんじゃないの?オレにだってなにかと説教みたいの言ってるの見てるし」
話を聞いていた陸くんがそう言うと、一織くんはひとつ大きなため息を吐いて陸くんを見た。
一「七瀬さんの場合は説教みたいなのではなく、そのものですよ。ついでに言えば、七瀬さんは佐伯さんよりいろいろと危なっかしいドジっ子ですからね」
陸「なんでだよ!一織はやっぱりオレにはそういう態度ばっかじゃん!」
大「あ~、こらこらケンカするな。これから収録なんだから、ほらリク、スマイルスマイル!」
三「一織もだぞ・・・まったく、陸に構いたくなるのは分かるけどここは寮じゃないんだからな?」
いつもの流れのようになってしまいそうな所で大和さんと三月さんが間に入って、事なきを得る。
「ねぇ、環くん」
環「ん?」
「もし・・・だけど、番組側で妹さんが見つからなかったから今日は会えないってなったら、環くんはどうする?」
必ずしも会いたい人に会える訳じゃないかも知れないことを言えば、環くんは少し考えて僕を見る。
環「もし、そーちゃんが言うように妹が見つからなかったって言われたら、また俺がテレビにいっぱい出て・・・俺を見つけて貰えるように頑張る。MEZZO"も頑張って、アイドリッシュセブンも頑張れば、絶対いつか俺を見つけてくれると思うから」
「そうだね・・・そうなった時は僕も出来る限り力になるから・・・一緒に頑張ろう」
環「・・・うん」
これからの事をワクワクする訳でもなく、会えなかった事を考えて落胆する訳でもなく落ち着いている環くんに、どうか早く妹さんに会えますようにと胸の奥で願う。
だけど、いざ収録が始まると・・・事態は一変してしまった。