第17章 見えない未来
❁❁❁ 壮五side ❁❁❁
環「番組の予算で探してくれるって言うから、頼んだ」
一「でも、こんな時に大丈夫なんですか?四葉さんは妹探しを売名行為だと記事にもか書かれてしまっているのに」
環「なんも知らないヤツにどう思われたって関係ない。俺は・・・会えるならなんだっていい。ずっと探してたのに、見つからなかったんだから」
楽屋の隅で、環くんたちが話しているのを聞いている。
あの時、環くんがマネージャーに相談もなく受けた内容は、確かに番組の予算で妹さんを探してくれる・・・そう言っていた。
けど、感動の再会物だと言われてはいるけど、実際は環くんが探していた人物が見つかったとはまだ聞かされてはいない。
「環くん、探してる人が見つかったとか、そういう情報は貰ってないの?」
環「んー・・・なんも聞いてない」
大「感動の再会ものって言ったら番組のメインになるんだから、見つかったとかそういうのはタマはもちろん、オレたちにだって教えちゃくんないだろ。会えた時のタマのリアルなリアクションだって欲しいし」
番組側からしたら、確かにそうかも知れないけれど・・・
三「とにかくさ。環の妹が見つかってるといいな」
環「妹に会えたら、俺は王様プリンいっぱいあげる!んで、今まで一緒にいられなかった分ずっと一緒にいて、それからマリーと同じ服着せて写真も撮る!」
ナ「では、ワタシのまじこなコスチュームコレクションもお貸ししまショウ!・・・oh!ミツキも着ていいデスヨ?」
三「オレは着ないからな!!」
陸「って言うか、なんで愛聖さんとお揃いにするの?」
環「前にマリーはひとりっ子だからみっきーがいるいおりんとか、妹がいる俺が羨ましいって。もし自分に妹がいたらお揃いの服とか着て写真撮りたかったって言ってたから。な、そーちゃん?」
話の中心にいた環くんが僕を見て、そう言いながら楽しそうに笑う。
「そうだね。僕たちといる時は一織くんや陸くんが弟が出来たみたいで楽しいって。けど、流石に妹ってなると周りにはいないしって言ってたよ。あ、でも一織くんの場合は、時々お兄さんみたいに思える時もあるとか・・・」
その時の事を思い出しながら話せば、愛聖さんの言葉に思い当たる事があるのか、一織くんは、まぁ、そうでしょうね・・・と苦笑する。