第17章 見えない未来
『えっ?!そうなんですか?!・・・それはちょっと、びっくりです・・・』
岡崎さんの見た目の感じからして、もっと私と歳が近いのかと勝手に思ってたよ。
27歳って言えば、万理と同じ歳・・・だよね?
万理は万理で若く見られるとか自分で言ってたけど、岡崎さんはそれ以上に・・・あっと・・・ダメダメ・・・見掛けだけで判断するのは失礼だって!
岡「兄からもよく言われるんです、もっとしっかりしろ、と」
『あ、お兄さんがいらっしゃるんでしたよね。確か、岡崎事務所の代表をされていらっしゃる・・・凛太郎さん、でしたっけ』
直接お会いしたことはないけど、千や百ちゃんの話で時々ちょこっと存在だけは知っている。
岡「えぇ、そうです。自分も兄のようにもっとしっかりした人間にならないといけないなとは思ってはいるんですが・・・まぁ、なかなか上手くは行かないですね・・・」
『いいんじゃないですか?それも個性というか、私もごく身近にタイプが違う感じのご兄弟がいますから』
それは三月さんと、一織さんだけど。
あ、公にはされてないけど、七瀬さんと天もそうなるよね?
岡「佐伯さんにそう言われると、なんだかちょっと安心しました。そうか、個性か・・・」
『私はひとりっ子で、そういった関係性の人がいませんから、そういうのも羨ましかったりするんですよ?』
兄のように甘やかしてくれる人は、何人もいるんだけれど。
万理はもちろん、千もそうだし。
百ちゃんは兄とはちょっと違う感じもするけど、いろいろと助けてくれたりとか。
二階堂さんも・・・そう、かな?
あとは、龍もそうだし・・・楽は・・・う~ん・・・なんか違うか。
ただ、万理に関しては岡崎さんも顔を知ってるから名前を出すことは出来ないけど。
岡崎さんは、万理と千の時のRe:valeを知ってる数少ない人間だから。
岡「ご馳走様でした、と。佐伯さんはこの後は?」
きちんと手を合わせて食後の挨拶をする岡崎さんに習って私も手を合わせながら、この後は楽屋に戻って待機ですと話すと、岡崎さんは自分のトレーと私のトレーを持って席を立つ。
岡「それなら楽屋まで自分がお送りします。それくらいの時間の猶予はまだありますから」
『え?あ、でも千たちの収録に早く戻った方がいいんじゃないですか?』