第16章 動き出した真相
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
「じゃ、愛聖はここに戻って来る気持ちはあっても、今はその時じゃないって言ったんだな?」
なるほどねぇ・・・朝っぱらからミツがキッチンに入りっぱなしだと思ったら、まさか愛聖の所に突撃してたとは。
三「あぁ、ハッキリとそう言ってたよ」
で、玉砕してきたと。
陸「でも、今はその時じゃないってどういう意味なんだろう」
一「佐伯さんのスケジュールが詰まっていて、気軽に身動きが取れないとかじゃないんですか?」
環「マリーはいまの撮影が終わったらスケジュール真っ白だって言ってたよ」
壮「環くん・・・そんなハッキリと仕事がないって言わなくても・・・」
ソウ・・・おまえさんも、同じことハッキリ言ってるぞ。
仕事が詰まってる訳じゃない。
なら、わざわざ時期を見ないといけない理由ってのが気になるところだが・・・なんだろな、それって。
三「ただ、今日ちょっと・・・いや・・・」
愛聖がオレたちと距離を置く期間を長くしたい理由を考えようとしたら、ミツが何かを言いかけてやめる。
一「今日ちょっと、って。兄さんは何か知っているんですか?」
ナ「ミツキ・・・ワタシたちは仲間です。なにか知っている事があるなら、話してくれませんか?」
イチやナギがそう言っても、ミツはその重くなりかけている口を開こうとしない。
これは・・・現場で何かあったと考えられるとも言えるけど・・・現場でとなると、共演者絡みか?
そうなると八乙女とか、あとは・・・あぁ、あの人 もいるな。
けど、ミツが直接的にあの人と関わりがあるとは思えないし、だったら何かあるとしたら八乙女の方だろうな。
「ミツ、愛聖は今日の撮影でオールアップだって聞いてたけど、八乙女と何かあったのか?揉めたとか、なんかそんな感じの」
三「いや、揉めたとかはないよ。どっちかって言うと逆だよ」
「逆って?」
三「オレがどこまで話していいのか分からないから・・・」
なるほど・・・とりあえず何かあったって事はあったんだな。
どこまで話していいのかって口篭るってことは、社長か愛聖に口止めされてるのか?
そう考え始めた時、玄関の方から物音がして、いま思い浮かべた2人がリビングへと顔を出した。