第16章 動き出した真相
楽「いいか?前にも言ったけど、ひとりで考えてもいい結論は出ねぇ。だったら、頼れるモンは頼れよ・・・例えば俺とか、あと俺とか・・・俺」
『なにそれ楽ばっかじゃん!』
楽「だから、たまには千さんや百さんじゃなくて俺も頼れって事だ」
なんでいつも対抗馬に千と百ちゃんが出て来るんだろ。
『まぁ・・・他に頼れる人がいなかったら考えるよ。楽より、千たちよりも前に、私には相談させてくれる事務所の先輩がいるし、ね?』
微かにニコリと笑って三月さんを見れば、三月さんはその表情を僅かに明るくして、大きく頷いた。
『ただ、今はまだ寮には戻りません。社長とも今後の事でいろいろ話し合わなきゃいけない事もあるし、今日の事も含めて・・・』
三「そっか・・・でも、愛聖がいつ戻って来てもいいように、飯は作っておくから」
『寮に戻る時はちゃんと三月さんにイチバンに連絡しますから、だからそれまでは余分に作らなくても大丈夫です。その代わり、私が戻る時は三月さんお手製のアップルパイが食べたいなぁ・・・なんて、おねだりしてもいいですか?』
三「アップルパイって、そんなもんでいいのか?」
『はい!三月さんの作ってくれるアップルパイは、世界でイチバン美味しいと思いますから』
三「お、おぅ!そん時は張り切って作るから腹いっぱい食べろ!」
お腹いっぱいアップルパイ食べれるだとか、幸せ過ぎる事この上ないですね!と笑って言えば、三月さんも私がリクエストしてくれるならなんでも作るからな!と笑ってくれる。
楽「そんな甘ったるいモン腹いっぱい食ったら、おまえ横に成長するだろ・・・」
『いいじゃん別に。ちゃんとその後エネルギー消費すれば・・・あ、そうだ三月さん。その時は寮にみんなで集まってお蕎麦屋さんから出前取るのもいいですよね!』
いいこと思いついた!と手を叩いて言うと、向かい側で三月さんの差し入れを食べていた楽が咳き込む。
楽「おまえ・・・どんな反撃だよ」
『なにが?私はただ、いつもお世話になってるお蕎麦屋さんの話をしてるだけだけど?それに配達して貰ったら、噂のイケメン配達員のお兄さんとも会えるかなって』
三「そういやマネージャーも蕎麦屋の配達が八乙女によく似てる人だって言ってたな。オレはまだ見た事ないけど、こんなイケメンが近くに2人もいるとかある意味スゲーよな」