第16章 動き出した真相
いつものように一緒にいただきますをして食べ始めながら、さっき考えていた事を何気なく聞いてみる。
『千の家でお泊まり会した時?』
「そう。まさか愛聖がさっきみたいな感じなのかな?とか」
ほら、髪が濡れたままでいるとかさ?なんて言いながら話を続ければ、驚きの答えが返ってきて。
『さすがに百ちゃんだっているのにそんな事は・・・なくも、ない?かな?あ、でもね!だいたい千のとこにいる時は千がドライヤーしてくれるし』
「そ、そっか・・・でも、一応言っておくけど千も男だからね?いろいろ気をつけないと」
『千は大丈夫だよ?時々スキあらばキスとかしてくるけど、それも冗談っぼいし』
「キス?!」
『うん、ほっぺとか、おでことか鼻先とか』
あ、あぁ・・・それならいいか・・・いや、良くないけど。
『百ちゃんはお風呂から出てくるとパンツ一丁だけど、それも慣れたっていうか?』
「・・・慣れるなよ、そんな姿に」
でもまぁ百くんならやりそうだと苦笑を浮かべながら、百くんがそれなら千も似たようなもんだよな?と返せば・・・
『千はお風呂出てくると、バスローブ着てる時が多いよ?』
「へぇ・・・バスローブなんて昔の千を考えたら随分と成長したんだな。昔の千は俺の家でシャワー借りるとか言って入れば、百くんみたいに下着1枚だったり・・・何も着ないでウロウロするからやめろって言ったりしてたからね」
あの頃はホント・・・驚きの連続だったよ。
『ふぅん・・・それならあんまり昔と変わってないかもね。だって千、バスローブの中は何も着てないし』
「はぁっ?!・・・ゴホッ、ゴボゴホッ・・・」
予想もしなかった言葉に飲み込みかけていた物で噎せ返る。
なんだよそれ!
何考えてんだよ千!
『はいお水。大丈夫?』
「あ、あぁなんとか生きてる・・・っていうか、千は愛聖がいるのにそんな格好でいるのか?」
『最初の頃はね。でもいまは百ちゃんがそれはダメだ!って言って、渋々バスローブの下は履いてくれてるけど』
なら、良かった・・・いや、良くもないか。
千が愛聖をだとか、あんまり想像したくはないけど、千のところにはもう1人・・・お腹を空かせそうなオオカミ予備軍が出入りしてるから、それを考えれば安心だとは言い切れないけど。