第16章 動き出した真相
❁❁❁ 百side ❁❁❁
「これ・・・どうなっちゃってるんだろ・・・こっちもだ」
歌番組の収録中に音源トラブルで、ひとまず楽屋へ戻る途中の売店で見つけた週刊誌の見出しに引き寄せられ、何冊かまとめて買い込んでアレコレと読む。
こっちは三月が一織がスカウトされたオマケで事務所に入ったって書いてある。
それにこっちはナギがどこぞの国の・・・王子様???
えっと・・・多分・・・ない?だろ。
壮五の実家がどうのってのは、既に知ってるけど。
千「モモ、週刊誌に穴が開くほど見てるけど・・・その特集ページ、そんなに興味深い?どれどれ・・・私がハジメテをあげる時の理想のシュチュエーション?・・・モモのエッチ・・・」
ユキが指で辿りながら読み上げるページは、そ、そりゃちょっと読んでみたい内容でもあった、けど・・・って!
「ち、ちがーう!!そこじゃない!隣!ユキ、隣のページ!」
千「なんだ、違うの?隣って・・・アイドリッシュセブンのリーダー二階堂大和は、某大御所俳優の・・・隠し子・・・」
「そう!なんか週刊誌のこういうのって、内容はどうであれ見出しが凄いよね!隠し子とか書いてあったら、きっとファンの子たちは怖いもの見たさでみちゃうじゃん?」
千「そうね・・・隠し子・・・ってフレーズは、時に謎めいて魅力的なのかも知れない。けど、彼の場合は隠れもしてない」
「だよね!アイドリッシュセブンのリーダーとして頑張ってるし!」
それにしても、いきなり数社の週刊誌にこんな記事が載るだとか変だよな?
グループの中の誰かひとり、とかならまだ分かるけど。
それよりも・・・と、1番最後の週刊誌をペラリと捲って記事に目を落とす。
天と陸が・・・双子の兄弟って、本当なの?
だとしたらマリーはその事を知ってるの?
だって、両方に関わりがあるんだし。
千「モモ?記事の事は気にしない事だよ。僕たちは特に変わりなく彼らと接すればいいだけ」
鏡越しの千がそう言って笑うから、そうだねと笑い返して週刊誌を閉じる。
千「ただ・・・そんな事より僕の命に関わる重大な事を聞いて」
そう言いながらユキが鏡越しに切なそうな顔を見せる。
「い、命に関わるって・・・ユキ、もしかして具合い悪いとか?!オレが出来ること何でもする!だから言って!!」
千「なんでも?」