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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第16章 動き出した真相


『また私たちがジャンケンで負けちゃいましたね』

七瀬さんと2人でコンビニの袋をそれぞれ持ちながら寮までの道を歩く。

陸「なんでいつもジャンケンするとオレが最初に負けちゃうんだろ?」

う~ん・・・と唸りながら七瀬さんは自分の手を見つめながら、その手をジャンケンの形にしては、また手を開く。

二階堂さんに絶対言うなよ?って口止めされてるけど、七瀬さんってジャンケンする時、ほぼ確実に最初に出すのが決まってるんだよね。

最初の頃は私も普通に勝ち負けを楽しんでいたけど、ここ2回ばかりは良心が疼いてしまって七瀬さんと同じ手を出して買い物係になっている。

陸「っていうか、大和さんがビール飲みたいなら自分で買いに行けばいいじゃんね?今回は愛聖さんが一緒にいたから買えたけど、一織や環との組み合わせだったらどうするんだろ」

『まぁ、私がいてもしっかり年齢確認されちゃいましたけど』

店員さんとのレジでのやり取りを思い出して肩を竦めて見せる。

『あんな風に身分証明書出して下さいって言われると、年齢云々よりも、私って女優オーラ皆無なのかな?とか、違う方面で落ち込んじゃう・・・』

陸「あはは!それはないんじゃない?今日はたまたま店員さんが年配の人だったから、愛聖さんみたいに若い女優さんってのに縁がなかったのかもじゃん?」

『それはそれで、なんか複雑・・・千葉志津雄さんと共演までしてるのに」

むぅ・・・っとわざとらしく口を尖らせて見せれば、七瀬さんは笑いながら、まぁまぁ、と宥める。

陸「そう言えば、その千葉志津雄さんと共演してるドラマって、まだ撮影開始にはならないの?」

『そうみたい。監督さんが急に倒れて入院されてから撮影は止まったままだし。あ、でも最近退院されたって聞いたから、もう少ししたら撮影始まるかも』

そうなるとあのシーンからって事になる、よね?

ちゃんと台本読み込んでミスったりしないように頑張らないと。

陸「オレたちもみんな、あの続きが気になっててさ?壮五さんに聞いたら、自分の出演は終わってしまってるから分からないって言われちゃった・・・愛聖さんならずっと出てるし、知ってるよね?」

『もちろん分かってます。けど、教えませんよ?』

陸「どうしても?」

『どうしてもです。楽しみは大事に取っておいて下さい?』



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