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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第16章 動き出した真相


きっとあの時に落としてしまったんだ!

隙を見て逃げ出す事も、誰かに連絡をする事さえ出来なくなった事に動揺し始めていると、どこからか微かに聞こえて来る音楽にハッとする。

この曲、MEZZO"のデビュー曲だ。

外で持ち歩くのに音量を下げてはいたものの、聞こえて来る音は確かにあの曲だ。

そう言えばここへ来る時に二階堂さんが・・・



大「ただし、ここから事務所までの往復時間を考えても、せいぜい30分そこそこだろ?それを超えても戻らないようなら、ここにいるフルメンバーで迎えに行くからな?」


そうだ・・・二階堂さんは時間になっても私が戻らなかったら迎えに来るって言ってたんだ!

じゃあ・・・やっぱり今聞こえてたのって、曲からして逢坂さんか四葉さんが私に電話を掛けて来たって事になる!

何とかして私がここにいるって事、それから、無闇に事務所に入っちゃダメだって事を伝えたい!

なのに、その微かな音は何度か途切れては鳴りを繰り返し、やがてその音さえ鳴らなくなってしまう。

どこに落ちているかも分からないスマホが鳴っていても、音量は小さいし、例えこの建物の外にいたとしても・・・みんなには届かなかったのかも知れない。

一縷の望みが崩れ落ちてしまったと、持ち上げかけた頭をまた床に下ろした時、遠慮がちに歩く足音が止まり、話し声が聞こえて来る。

環「そーちゃん、それ・・・」

壮「間違いなく、愛聖さんのだね」

環「ぜってぇ間違いない。だってそのストラップ、俺がいおりんに見せて選んで貰ったやつだし」

会話の感じと声からして、四葉さんと・・・逢坂さん?

壮「僕も環くんがそれを買うのを見てたから、知ってるよ」

環「じゃあ、マリーはどこにいるんだ?事務所ん中は真っ暗だし、やっぱスマホ落としたの気付かなくてどっか寄り道してっとか?」

い、います!ここにいます!!

でも今ここに入って来たらダメなんだってば!!

何とかそれを伝えたくても、こんな状態じゃ身動きも取れないし、どうしよう?!

焦る気持ちと並行して、どうにか危険を知らせたくて不自由なままの体をバタつかせると、足先に何かが触れた。

何だろう、これ・・・なんだか壁のような、柱のような・・・?

ひょっとして、誰かのデスクの角とか?

そうだ・・・これなら何とか出来るかも!





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