第15章 shine of the palm
アイドリッシュセブンの出演が終わり、途中で手洗いに寄るというメンバーと別れ、二階堂さんと四葉さんと私で楽屋へ戻る。
出演中は二階堂さんの肩の痛みも落ち着いていた様で、帰りの通路でそれを聞けば、アドレナリンが出てたから大丈夫だった・・・なんて笑って言ってはいたけど。
『二階堂さん、着替えるなら湿布貼り替えましょうか?汗を拭いたら声掛けてください』
大「ん?もうそんなに痛くないし、湿布貼るくらいなら自分で出来るけど?」
『そうかも知れませんけど、肩口に貼るなら自分でやるのは少し大変かな?って思ったので』
大「そうか?・・・あ、もしかして愛聖、そんなにお兄さんのもろ肌に触れてお世話したい感じ?」
わざとらしくタオルを口に当てながらニヤリと笑う二階堂さんは、いつもよりやや興奮冷めやらぬ・・・な感じを漂わせていて。
『ガムテープでグルグル巻きにしてあげても、私は全然構わないんですけど?剥がす時は楽しいだろうなぁ・・・』
そんな二階堂さんを制するように私も楽屋に置いてあったガムテープを持って近寄っては、ピリピリ・・・とガムテープを少しずつ剥がしてはジワジワとそれを広げて行く。
『どこからどこまで貼ろうかなぁ?』
大「え、マジで言ってんの?お前優しくねぇなぁ・・・お兄さん、こんなに痛いの我慢してるってのに」
『あれ?さっきはもうそんなに痛くないって言ってたような?空耳だったのかな???』
私が1歩前に出れば、二階堂さんが同じ距離を下がる・・・といった具合いに、縮まらない間合いのまま攻防戦に出る。
って言うか、まだ痛いなら痛いって言えばいいのに。
なんて考えた瞬間、手に持っていたガムテープが即座に取り上げられてしまう。
大「スキありっ!!」
『あっ!ズルい二階堂さん!』
大「油断する愛聖が悪い。これで形勢逆転ってヤツだな?」
私がしていたようにガムテープをピリリと伸ばしながら、今度は二階堂さんがジワジワと足を進める。
『な、なにをするつもりですかね・・・アハハ・・・』
大「なんだろうねぇ?」
うわ・・・なんかイヤな笑い方してるし!
キラリと眼鏡を光らせながら、まるで何かの犯人のようにニヤニヤと笑いながら近づいてくる。
大「そのまま下がり続けると危ないぞ?」
チラッと私の後ろを見て二階堂さんは言うけど・・・