第15章 shine of the palm
❁❁❁ 天side ❁❁❁
サウンドシップの放送が始まって、楽屋のテレビでそれを見ながらTRIGGERの出演順を待つ。
今はちょうど、アイドリッシュセブンが出演中って事もあって、楽も龍も・・・見てる。
龍「愛聖がリハで代役したのは、この彼だろ?なんかそうやって見ると、リハの時の愛聖と同じ動きをしてるって、凄いな」
楽「フン・・・どっちかって言えば、凄いって言われるのは完コピしてた愛聖の方だろ」
龍「あ、そっか・・・そうだね。楽の言う通り、凄いのは愛聖だ。もしかして愛聖は、オレたちのも代役とか出来ちゃったりするのかな?」
放送を見ながら歓談する2人を黙って見ていようと思ったけど、龍のおかしな発言に、つい、小さく笑ってしまう。
「龍は、愛聖に龍のTRIGGERとしてのポジション譲るつもり?」
龍「そうじゃなくて、もし・・・オレたち3人の誰かが今日のアイドリッシュセブンみたいな事になったら、とかさ?」
ニコニコと楽しそうにそれを想像する龍に、今度はため息が零れる。
「そんな事を社長が許すと思ってるの?愛聖は今、ボクたちとは違うプロダクションの人間。楽や龍がどれだけ愛聖の事がお気に入りでも、そんな願いは届かないよ」
龍「だよなぁ・・・あ、でも社長って、あの時あれだけ激しく愛聖を解雇だ!とか追い出したのに、テレビ局に社長が来てる時、愛聖が仕事でいたりすると顔見に行ったりしてるよな?」
楽「そうなのか?」
龍「毎回じゃないだろうけど、オレは愛聖の楽屋の近くを歩く社長を見た事があるよ。こんな所で社長を見掛けるなんてって思ったし」
「そう。で、龍が言う所のそんな所で・・・龍は何してたの?ボクたちの楽屋とは、基本的に階が違うよね?」
もちろんボクは、必要性がない場合は愛聖の楽屋へなんて行かないし、これまでもとくに行ったことはない。
楽じゃないんだから、用もないのに行く必要ないでしょ。
龍「ア、ハハ・・・えっと、元気かなぁ?とか」
楽「お前は田舎のお袋さんかよ!」
龍「だって外じゃ堂々と会えないし、たまに局が一緒なら顔見る位いいんじゃないか?って」
「きっと社長も龍と同じ事を考えてたりしてね」