第15章 shine of the palm
『中学生?!・・・あ~そうですか・・・分かりました。二階堂さんに、そんなストライクゾーンが広かったなんて』
大「え・・・なに急に?なんだよ愛聖」
『スクープ!アイドリッシュセブンのリーダー、二階堂大和の暴かれた秘密・・・』
大「だから、何が言いたいんだっての・・・しかもそんな怪しげな週刊誌の見出しっぽいのはなに?」
『恋愛対象は中学生からと幅広く、相手によって多様な表現を用いて距離を縮めるそれは、まるで現代の光源氏のよう・・・』
大「やめなさいっての!それにオレのタイプは中学生じゃないからな?」
『知ってますよ?今のは私を中学生みたいだと言ったことのお返しです』
フフン・・・と笑って言って、番組が進行して行くのを映しているモニターを見る。
『あ、そろそろ出られるようにしといた方がいいですね。スタッフさんから連絡が来たら支度をするより、連絡が来たら出れる位がいいと思います』
紡「生放送だから早めの準備を心掛ける方が、慌てなくていいのでそうしましょう。みなさん、お願いします。あとは環さんと陸さんが戻り次第になりますね」
連れ立ってトイレに行っただけだから、もう戻る頃だと思った瞬間、楽屋のドアが開いて2人が入って来る。
陸「戻りました・・・トイレのエアータオルが故障して遅くなりました」
環「マリー、俺のタオル取ってくんね?」
三「お前らなぁ・・・トイレに行くならハンカチくらい持ち歩け?愛聖はお世話係じゃないんだぞ?」
呆れながら言う三月さんに、今日はお世話係も兼ねてますからと笑いながら言って2人にタオルを差し出すと、半開きのままのドアがノックされ、スタッフが顔を出した。
「アイドリッシュセブンさん、そろそろ移動をお願いしま・・・あ、ちょっとキミ!」
四葉さんにタオルを渡していると、スタッフが私の肩を後ろから掴む。
「ダメじゃないか。ここは関係者以外、立ち入り禁止だ・・・え?佐伯さん?!これは失礼しました・・・てっきりファンの子が入り込んでるのかと・・・」
『あ、いえ・・・大丈夫です』
何となく複雑な心境を抱えながらも、間違いくらいは誰にでもあるからとスタッフさんに笑い返せば、スタッフさんは何度も何度も・・・頭を下げる。