第4章 卒業
「よぉ…久しぶりだな」
の姿に気がついて、すっとリヴァイがベンチから立ち上がった。
その表情は、月明かりに照らされているせいか、いつもよりも少しだけ柔らかいように感じられる。
「首席だってな。おめでとう」
相変わらずの無表情ではあったが、およそ普段のリヴァイからは考えつかないほどの労いの言葉を聞いて、の目には思わず涙が盛り上がってくる。
辛かった3年間の訓練が様々に思い出されてきたが、それが、リヴァイのひと言ですっきりと洗い流されていくように感じた。
「おいおい…、てめぇはすぐに泣くな」
リヴァイが卒業してから、実に2年ぶりの再会であった。
ぽんぽんと、の頭にリヴァイの筋張った手が乗せられる。
(あぁ、懐かしい)
は下を向いて泣いていた。