第4章 卒業
はそこが大好きで、座学の課題図書などはそこで読んだりして過ごしていた。
普段使用している教室からは少し離れているせいで、以外の利用者はほとんどおらず、一人でゆっくりとしたい時などはよくここを利用したものだった。
皆と別れて、は一人、中庭へと続く渡り廊下を歩いていく。
すでに深夜0時を回っているだろうか。
あたりはシンと静まり返り、物音ひとつしない。聞こえてくるのは、自身の歩く足音くらいだ。
中庭に出ると、月明かりが辺りを照らし出して、噴水の水をキラキラと輝かせていた。
ふと、噴水の横にそなえつけられたベンチに人影があることに気がつく。後ろ姿であったが、にはそれが誰なのか、すぐに分かった。
「リヴァイ先輩っ!」
は嬉しくなって、小走りで駆け寄って行った。
なぜこんな所にリヴァイがいるのだろうか。
彼は2年前に首席で訓練兵団を卒業してから、すでに調査兵団の第一線で活躍している。
持ち前の常人離れした身体能力を活かしてメキメキと頭角を現し、兵士になってからまだ2年だというのに、既に小規模な部隊の隊長を任されるまでになっていた。