第4章 卒業
その後は、皆それぞれの進路ややりたいこと、将来の夢などについて語り合った。
その話は尽きることがなく、気が付けばすっかり夜も更けており、普段であればとっくに就寝している時間になっていた。
夜更かしが許されるのは、この日だけだ。
深夜まで祝賀会場で語り合った後、達は食器などの片付けをしてから会場を後にした。
テクテクと宿舎への道を歩いていると、3年間の思い出が次々と思い出されてくる。訓練の日々は辛いものだったが、楽しいこともたくさんあった。
辺りを見渡せばあちらこちらに思い出がたくさん転がっていて、何の変哲もない壁一つをとってみても、それは青春の思い出の大切なパーツだった。
明日からはもう、この学び舎で勉強をすることもないのかと思った時、はふと、ある場所に行きたくなった。
それは校舎の中庭で、小さな噴水を中央に据えた、とてもこじんまりとしたスペースである。