第3章 合同演習
がやっと平常心を取り戻したのは、夜になってからであった。
「リ、リヴァイ先輩にお礼を言わなくちゃ…」
放心状態ではあったが、所々の記憶はある。超が付くほどの潔癖症であるリヴァイが自分を肥だめの中から引っ張り上げてくれたこと、自分が汚れるのも構わずに背負って訓練所まで連れて帰ってくれたこと、水道で身体を洗ってくれたこと…。
だが、一回生と三回生では宿舎が違う。夜になってしまうと訓練も無いので、中々会う事はできない。
「どうしよう…」
はオロオロと三回生の宿舎の前で右往左往していた。タイミング良く出てこないかな…、と思った瞬間、なんとリヴァイが宿舎から出てきた。
「えぇっ!!?何というタイミングで…」
「あ?」
思わず叫んでしまったを、リヴァイは怪訝な顔で見る。
「あっ、あ、あの、リヴァイ先輩っ、今日は大変なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでしたっ!!ありがとうございました!!」
勢いよく深々と頭を下げたを、リヴァイはまじまじと見つめている。
「お前、もう大丈夫なのか?」
「はいっ!」
「…そうか。訓練中、あまりぼーっとするなよ?それが怪我のもとになる」
「はいっ!」
リヴァイがの頭をポンポンと軽く叩いた。