第3章 合同演習
「よし、二回生は三回生とペアになれ。は俺と組め」
「はいっ」
テキパキとリヴァイが指示を出し、班員は一斉に森に飛び込んだ。
「よろしくお願いしますっ!」
「怪我するなよ」
前を飛ぶリヴァイの背中は、思ったよりも小さい。
も随分と小柄なのだが、彼の身長はよりも数センチ高いだけだ。
実を言うと、はリヴァイの気難しいところ、怒るととてつもなく恐ろしいところ、やや潔癖気味なところ、を兵舎内で嫌というほど見ていたので、少し恐れていた。嫌いという訳ではない。ただ少し、怖かったのだ。
いつだったか、食堂で食事を食い散らかしていた訓練兵を半殺しの目に合わせていたような気がする…。
だが、立体機動で駆け抜ける姿や、見事な対人格闘術、その他どれを取ってみても素晴らしい身体能力に、も憧れの目を向けていたのも事実だ。
リヴァイは後ろをついてくるの様子を、つかず離れず見守ってやっていた。
(ほう…まだ訓練兵になってから1年も経っていねぇのに、見事な立体機動術だ。周囲に対する観察力、判断力も問題ない)
実を言うとリヴァイもまた、の事は随分と前から認識していた。直接の関わりはなかったが、食堂や訓練場で何度か姿を見かけていたし、非常に優れた才能を持った新入生がいるという噂は耳にしていたからだ。