第1章 出会い
数日後、衣類修繕室内でが一人作業をしていると、コンコンと扉がノックされ、返事をする前に扉が開かれた。
「、戻ったぞ」
「リ、リヴァイ兵長…っ!!」
数日前に見送った兵士長が、ドアの前に立っていた。口元にはあのニヒルな笑みが浮かんでいる。
「お帰りなさいっ。本当に、お疲れ様でした。お怪我はありませんか?!」
思わずはリヴァイに駆け寄り、その小柄だが鍛え抜かれた身体に傷がないか確かめ始めた。
今回の壁外調査は規模が大きく、被害も甚大なものであったと聞いている。調査団は半分以上の兵を失って、命からがらやっとの思いで戻ってきたという。
ぺたぺたと必死で身体を触ってくるに、一瞬驚いたリヴァイであったが、すぐにその細い指の何本かに包帯が巻かれているのに気がついた。
「」
自分の身体を確かめていた小さな手をそっと握る。
「あっ…!し、失礼しました。私ったら何て失礼な事を…」
必死だったとはいえ、自身の行動に気がつきが顔を真っ赤にして謝る。
「それはいい。だが、どうしたんだ、この怪我は?」
両指のそこかしこに巻かれた真っ白な包帯が痛々しい。
「こ、これは…、その…」
思いがけずリヴァイに手を握られ、はしどろもどろになる。心臓が滑稽なほど大きく脈打って、その心音がすぐ目の前にいるリヴァイに聞こえてしまわないかと心配になるほどだ。
「仕事中…ついぼーっとして、ハサミや針で切ってしまいまして…」
「なに?以前はそんなこと一度もなかったじゃねぇか。ぼんやりするなんて、何か悩みでもあるのか?」
の顔をのぞき込むようにして、ぐいっとリヴァイが顔を近寄せてきた。