第1章 出会い
「い、いえ、その、あの…」
ふいに至近距離にきたリヴァイの顔を直視できず、は耳まで赤くなってうつむいてしまった。
そんなの様子に、リヴァイは少し迷った後、思い切って言った。
「…―――俺がいなくて寂しかったのか?」
「…っ」
リヴァイの言葉に驚いて、思わず顔を上げたの視界に飛び込んできたのは、いつもと同じ不機嫌そうに眉を寄せているのに、どことなく悲しそうな、何だか今にも泣き出してしまいそうな、真剣なリヴァイの表情だった。
その顔を見た途端、の両目から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「し、心配しておりましたっ。兵長に何かあったらと思うと、ついぼんやりとしてしまいました。兵長にお会いできず、本当に寂しかったです…」
目の前でポロポロと涙を流すの姿に、リヴァイはたまらなくなりその華奢な身体を引き寄せ優しく抱きしめた。
「俺は死なない。必ず生きて帰ってくると誓う」
身長160cmのリヴァイに対して、も随分と小柄である。その華奢な身体は、すっぽりとリヴァイの腕の中に収まってしまった。
突然の出来事に一瞬泣き声が止まったが、はすぐにまたリヴァイの肩口に顔を埋めて泣き始めた。
「、初めて会った時から好きだった。俺と結婚してくれないか」
「は、はい」
もうシャクリなんだか、同意の頷きなんだか分からないほどブンブンと顔を揺らしながらが涙に濡れた顔をあげると、それと同時に、ぐいとリヴァイの顔が迫ってきて柔らかく唇をふさがれた。
触れるだけのキスはすぐに離れていったが、背中に回されたたくましい腕は離れない。
「もう仕事中にぼんやりするな。お前が怪我をすると、俺の方が気になって仕方がねぇ」
上から降ってきた、すねたようなぶっきらぼうな声に、思わず笑みを浮かべはリヴァイの胸に顔を埋めた。