第1章 出会い
その日から、衣類修繕室にはリヴァイからの依頼品がほぼ2~3日置きに持ち込まれるようになった。
修繕の必要な衣類を置いていくだけの時もあれば、しばらく修繕室で過ごしていくこともある。
「、また頼む」
「はい。あ、この間お預かりしたコート、修繕終わりましたよ」
最初こそ、有名な兵士長を前にして緊張していたであったが、何度も顔を合わせるうちに幾分うち解けた雰囲気の中で話をすることが出来るようになっていた。
いつしか、はリヴァイの来訪を心待ちにするようになっていた。
もちろん頻繁に訪れているのはリヴァイの意図あってのことだ。いくら激しい訓練をしているからといっても、そう頻繁に洋服が破れる訳がない。
(くそ…いくら気になるからといって、こんなにしおらしく通いつめるなんて。俺らしくもねぇ…)
ようは、の顔が見たいがためにリヴァイは多忙な中わずかな空き時間を見つけては、衣類修繕室に通っているのだ。
彼の強気な性格からして、気に入った女性がいたら、面倒な事は一切抜きにして手を出し、満足すればあっさりと終わる。今まではそうしてきた。
(だが…、相手にそんなこと、できるかよ)
目の前で花の咲くように笑う女性の笑顔に見とれ、ついつい手も握れずにいる自分に、リヴァイはいつも小さく舌打ちをしているのだった。