第6章 Everything about me is yours
自宅への帰り道、すっかり日が暮れた中をリヴァイとは手をつなぎながら歩いていた。
2人で帰る時は、大抵手をつなぐ。普段のリヴァイの立ち居振る舞いからはおよそ想像できないことであるが、意外にもリヴァイはスキンシップを欠かさない男であり、サラリとの肩を抱いたりキスをしたりしてくる。
決して兵団の仲間の前では見せないので、リヴァイのそういった一面を知っているのはだけである。
「」
リヴァイは、つと足を止めた。
突然止まったリヴァイに、つないでいた手を引かれてが振り返る。
「リヴァイさん、なんて顔をしているんですか」
そう言ってが笑った。リヴァイの眉は下がり、普段は鋭い光を放っている瞳が、弱々しく伏せられていたから。
「…すまなかったな。結婚式のこと」
自分のような朴念仁には到底分からない事かもしれないが、女性がどれだけ結婚式というイベントを重視しているのか、今日の皆の反応を見て少しは理解できた。
はきっと、兵士長という任に就いている自分の事を気遣って、あえて準備に手間のかかる結婚式のことを言い出さなかったのかもしれない。
がどれだけ控えめな女性で、自分の事を深く想ってくれているのかなんて分かりきったことだった。
だからこそ、そんな彼女の思いやりの裏にある感情を、自分が気づいてあげなければならなかったのに。