第6章 Everything about me is yours
驚きの声を上げる3人の目の前で、真っ白いシーツがまるでドレスのようにひらめきながら落ちてゆく。
「わーっ!」
三人は慌てて両手を伸ばした。
地面に落としてしまったら、また洗い直しになってしまうではないか。あの作業をもう一度やっていたら、日が暮れてしまう。すでにもう半日は過ぎているというのに。
必死に手を伸ばしたが、あと少しの所で届きそうにない。
落ちる…そう3人が思った時、シーツの向こう側から2本の白い腕がにゅっと出てきて、シーツをバサバサと受け止めた。
「わっ、間に合ったぁ!」
シーツを受け止めた人物は、腕の中に何枚も抱えながら、頭からもシーツをかぶっていた。
その布の下から、心底安堵したような声が聞こえる。この声は…
「さんっ」
駆け寄っていったエレンが、もぞもぞともがいているその人物の、頭にかかっていたシーツをめくってやると、その下には髪の毛を少し乱したの顔があった。
「おい、ガキ共っ、気を付けやがれ!」
遠くから怒号が飛んできて、ビクッと肩を揺らして3人が振り返れば、切れたロープを掴んでいるリヴァイの姿があった。
彼が切れたロープを咄嗟に引いてくれたおかげで、干していた洗濯物全てをもう一度洗うハメにならなくて済んだのだ。
そして、リヴァイの機転によって救われた洗濯物達の中で、それでも落ちそうになっていたシーツは、の手によって救出された。
リヴァイ夫妻の鮮やかな活躍により、奇跡的に被害が出なかったのだ。