第6章 Everything about me is yours
シーツの交換は週に一回。
一斉に行うことは物理的に難しいので、部屋ごとに順番を設けて、週に一回はシーツ交換ができるように調整されている。
集団生活において清潔を保つことは重要なことであり、何より衛生面でのメリットが大きい。
だが、ベッドを丸々と覆っている大きな布を洗うというのは、なかなか大変な作業である。
複数人で作業にあたったとしても、数時間はかかってしまう。
「見て、エレン。最初に干したシーツ、もう乾いたみたいだ」
第一弾で洗濯用のロープに引っ掛けておいたシーツを両手でポンポンと挟んでみてから、アルミンが嬉しそうな声を上げた。
大変な作業ではあるが、その分、達成感も大きい。真っ白に洗われたシーツを敷いて寝た日は、疲れも相まって格別によく眠れる。
「おー、さすがに早ぇな」
エレンも、顎にまで流れてきた汗を拭い、笑顔を浮かべる。
「乾いたやつはもう取り込んでおこう」
よいしょっ、と平均よりもやや背の低いアルミンが、背伸びをしてシーツを引っ張った。
「アルミン!私が…」
くんっ、と引っ張られたロープに気づき、アルミン達からは少し離れたところで作業をしていたミカサが慌てて走ってきた。
「大丈夫だよミカサ…」
アルミンが更にシーツを引っ張った時、つながっていたロープの向こう側がブッつんと外れた。
「えっ!あっ!!」