第5章 ホームパーティー
が的確に下ごしらえをしておいたおかげで、特に慌てることもなく皆でゆっくりとバーベキューを楽しむことができた。
和やかにテーブルを囲み、大人組には酒も入りやや陽気な雰囲気だ。
「エレン…もっと食べて」
「ちょっ、ミカサ、やめ…」
ミカサが、涙目のエレンにトングでぐいぐいと焼けた野菜を押しつけている。
アルミンはハンジにつかまっている。
「君は男の子なのに、なんでこんなに可愛いのおおぉ?!」
エルヴィンはペトラになにやら語りかけている。
「団長…(乙女なんですね)」
ぺトラは苦笑いしながらも、そつなく対応した。
エルドとグンタは、楽しそうに酒を酌み交わしている。
そんな中、リヴァイの隣にはが座り、その反対隣にはオルオが陣取っていた。
「さんは兵長のどんな所が好きで、結婚を決めたんですか?」
オルオの発した一言に、思い思いに楽しんでいた場のメンバーがいっせいにこちらを向く。
「え、何々?もしかして面白そうな話しちゃってる??」
まっ先に食いついてきたのはハンジだ。
「気になるな…リヴァイのような朴念仁が、いかにしてこの女神のハートを射止めたのか」
エルヴィンも興味深そうに身を乗り出した。
「俺も…気になります!!」
「私も…(チビのことはどうでもいいけど、さんの意見を聞きたい)」
場の全員の視線が、苦々しい顔をしてむっつりとしているリヴァイと、頬をやや赤く染めたに注がれる。
全員の脳裏には、
(兵長(リヴァイ)、一体どんな顔をしてさんを口説いたんだろう…)
という疑問が渦巻いていた。
普段のリヴァイからは全く想像がつかなかったからだ。
彼はいつも眉間にシワを寄せて、ジト目で、仏頂面で、粗暴で、とにかく口が悪い。
とても紳士的に女性を口説くようには見えなかった。