第5章 ホームパーティー
興味深々といった様子で大勢の人間から見つめられ、リヴァイはややウンザリしたような顔をする。
「俺の一目惚れだ。地道に衣類修繕室に通い詰めて、…後はまぁ、ありがたい事にこうなっている」
あまりにもリヴァイがあっさりと話したので、皆の方が逆に恥ずかしくなってしまった。
はリヴァイの隣で真っ赤になっている。
実を言うと、リヴァイが頻繁に衣類修繕室に来ていたのは、本当に衣類の修繕が目的で来ていたのだと思っていたのだ。
まさかあのリヴァイが自分目当てで通ってきていたとは、思いも寄らなかった。
「…さんは、兵長の第一印象はどうだったんですか?」
気を取り直して、ペトラが尋ねる。
「わ、私は…」
はその白い肌を上気させながら、初めてリヴァイが衣類修繕室を訪れた時の事を思い出した。
袖のボタンが取れてしまって、リヴァイは不機嫌そうだった。腕を出した時のぶっきらぼうな仕草、すねたような態度…
「…かわいい方だな、と思いました」
「えーーーっ??!」
の言葉に、一同から驚きの声があがる。中には驚きのあまりイスから落ちた者もいたほどだ。
常に眉間にシワを寄せて不機嫌なオーラを発散しているリヴァイに対して、まずこのような印象を持つ人間はいないだろう。
リヴァイ本人でさえ、ずるっとなっている。
「か、かわいいって…」
「あ、いえっ、その変な意味ではなく、本当に…」
かーっと、耳まで赤く染めて、が弁解する。
(…さすが、兵長と結婚するだけあって、さんも肝が据わっている…)
可愛らしい見た目に反して意外にも度胸のあるに、皆が意外であると感じた。
だが、二人が並んでいるところは、本当に絵になった。お互いを想い合っていることが、強く伝わってくる。まるで幸せのオーラで包まれているかのように見えるのだ。
(…兵長(リヴァイ)とさん、幸せなんだなぁ)
真っ赤になっているを、穏やかな表情で見守るリヴァイの姿に、皆の心も温かくなった。