第5章 ホームパーティー
「兵長っ、今度兵長のお宅に遊びに行ってもいいですか?!」
オルオはリヴァイ班のムードメーカーというか、おっちょこちょいな役どころというか、面倒臭いというか…、とにかくリヴァイを盲目的に尊敬している兵士だ。髪型、話し方までマネをし始める始末で、かなりどっぷりとリヴァイに心酔している。
男にキラキラと輝く瞳で見つめられてもあまり嬉しくない、と正直リヴァイは思ったが、ここまで自分を信頼してくれる部下がいることに感謝もしている。悪くない、と。
オルオの言葉に、次々と同調者が出る。
まず、リヴァイ班の全員だ。その次に、エルヴィン、ハンジ、エレン、ミカサ(ミカサは別にリヴァイの家に行きたい訳ではないが、エレンの行くところであればどこへだってついて行く)、アルミン。
「ちっ…」
思った以上に増えた希望者に、リヴァイが小さく舌打ちをする。
「分かった。…だが、一度にも聞いてみないとな」
よろしくねーっ、と皆に送り出されたリヴァイは苦々しい表情をしてその場を後にした。
夜、自宅に帰ってからリヴァイは昼間の出来事をに切り出した。
「楽しそうですね!皆さん来てくださるという事なら、張り切ってお料理しますよ!」
は満面の笑みを浮かべて快諾した。
「そうか…すまねぇな。色々と準備があるだろうから、俺も手伝う」
「ありがとうございます。楽しみですね」
ニコニコと楽しそうに笑うの姿を見て、リヴァイはほっと肩の力を抜いた。
(そういや、この家に客が来るのは初めてのことだな)
兵団の中は、その仕事柄どうしても殺伐としてしまう。
兵士ではないもその雰囲気は十分に感じているだろうし、兵士の死も身近なものだ。依頼主をなくした衣類を処分する瞬間が一番悲しいと、以前がぽつりと話した事を思い出した。
そんな張りつめた雰囲気の中で日々過ごしているのだから、たまには楽しむのも悪くないだろう。